2025 年 32 巻 2 号 p. 106-108
【緒言】尺骨回外筋稜は外側側副靱帯が付着し,その骨折は肘関節後外側不安定症の一因となるといわれているが,その病態や手術適応は不明な点が多い.今回橈骨頭粉砕骨折に尺骨回外筋稜裂離骨折を合併した症例に対し,観血的整復内固定術を施行した1例を経験したので報告する.【症例】54歳女性,脚立から転落し右手をつき受傷,X線検査にて橈骨頭骨折と尺骨近位部骨折(回外筋稜裂離骨折)を認め,受傷12日目に観血的整復内固定術を施行した.橈骨頭骨折は髄内screw,尺骨回外筋稜裂離骨折は骨anchorにてそれぞれ固定した.骨折部の固定性は良好であり,術後の後外側不安定性も認めなかった.1年後のX線像では骨癒合が得られており,肘関節の可動域は良好であった.【考察】尺骨回外筋稜の骨折は明らかな転位があり複合損傷を合併する場合,後外側不安定症のリスクも鑑みて,内固定を選択肢の1つとしても良いのではないかと考えた.