2025 年 32 巻 2 号 p. 74-76
【背景】上腕骨遠位骨幹部骨折(以下DHSF)は遠位骨片が小さく,強固な内固定が困難である.【症例】48歳女性.自殺企図により13階から墜落受傷した.DHSF(AO分類12A3)を認め,受傷後6日目に後方アプローチから全てcortical screw(以下CS)を用いてプレート固定を行った.術後4週で骨折部の転位を認め,ギプス固定を行ったが,転位の増悪があり術後6週で再手術を行った.外側アプローチからプレートを抜去後,順行性髄内釘固定を行い,良好な骨癒合を得た.【考察】DHSFに対する後方プレート固定では,強固な固定を行うためにスタンダード規格のlocking screwを3本以上挿入する必要がある.しかし,本症例では全てCSを用いたことで回旋抵抗性が不足し,不適切な整復位のため転位を生じた.若年者への順行性髄内釘固定は,医原性腱板損傷のため積極的な適応ではないが,本症例には有効であった.