環境心理学研究
Online ISSN : 2189-1427
ISSN-L : 2189-1427
原著
環境心理学における教育環境研究の再活性化にむけて
平田 乃美フィッシャー ダレル L.
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ジャーナル オープンアクセス

2013 年 1 巻 1 号 p. 27-37

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抄録

環境心理学領域の教育環境研究は,認知学派と生態学派に大別できる。どちらの起源もLewinの人間行動の定理B=f (P, E)に遡る。認知学派の初期,Murrayの「要求−圧力モデル」は,人間と環境の符合関係の基本的枠組を推進して人間−環境適合の概念に多大な貢献をした。SternやHuntはこれを引き継ぎ,「人間−環境適合理論」を展開した。認知学派の教育環境研究は,子どもたちの現実と選好する学級環境の一致(人間−環境適合)による教育効果の向上を報告している。生態学派の初期,Barker と Wright は,行動にかかわる場の特異性の発見から「行動セッティング」を提唱した。生態学派の教育環境研究は,行動パタンと物理的場面の形態の一致,類似性を意味する「シノモルフィ」によって教育効果の向上がもたらされることを報告している。最後に,環境心理学における教育環境研究の再活性化にむけて,ICT(情報通信技術 Information and Communication Technology)を備えた教育環境の測定指標,学習者の個人差,相互作用論から相互浸透論への移行,について今後の研究を展望した。

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