抄録
わが国の地⽅の⼈⼝流出と東京⼀極集中は,現在も⻭⽌めがかからない状況にある。人口問題は,地域経済,都市計画,社会保障など広範な課題を含む。政府や自治体は地方創生のさまざまな政策パッケージ(たとえば,「地方創生まち・ひと・しごと創生総合戦略(第2次安倍改造内閣,2014)」,「デジタル田園都市国家構想(第2次岸田内閣,2022)」,栃木県では「まち・ひと・しごと創生総合戦略(第2期)」の栃木県版『とちぎ創生15戦略』など)を推進しているものの,いまだ是正には至っていない。本ワークショップでは,深刻な人口流出の課題に直面する栃木県の取り組みを通して,地方創生に環境心理学ができること,また「環境心理学の研究課題としての地方創生」について考える。回復環境,restorativeness,森林・自然の癒し,場所への愛着,若者・女性などをキーワードに,地域の魅力発見や政策の効果検証に役立つ「環境心理学」の可能性を探る。