2023 年 79 巻 21 号 論文ID: 23-21025
温室効果ガス削減の取り組みの一環として,セメント系材料への二酸化炭素の固定化が検討されている.本研究では,道路路床に適用されているセメント系人工砕石を対象に,二酸化炭素の固定性能とそれによる力学性能の変化を明らかにすることを目的とした.研究では,人工砕石および柱状供試体に炭酸化養生を行い,炭酸化深さ測定と熱重量-示差熱分析,pH測定,圧縮強度試験を実施した.
その結果,人工砕石を炭酸化させた場合,実製品を想定した粒径 50mm の人工砕石では,7日間の炭酸化養生で人工砕石の中心部まで炭酸化することが明らかとなった.また,炭酸化養生を行うと圧縮強度が低下するものの,炭酸化養生前の十分な水和促進により,圧縮強度の低下が抑制されることを確認した.