2018 年 11 巻 2 号 p. 34-36
本研究では初めての子育てをしている母とその生後2 カ月の子10 組を対象に, 2 種類の抱っこ紐を使用して立位及び歩行する場面を設定した. 抱き状態での立位と180 秒間の歩行を行い, その様子を観察した. 観察の結果は抱き姿勢と掌のふるまいについて特徴ごとにまとめた.結果, 構造的な性質を持つ抱っこ紐では母の上肢による探索的な動きが継続的にみられた.布で巻き付ける抱っこ紐では探索行為はほとんど確認されない一方でタッピングがより多く生起した. この結果により抱っこ紐使用時にも子にかかわりを持とうとする親は, 抱っこ紐によってふるまいを変えていることが示された.