生態心理学研究
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日本生態心理学会第10 回大会 予稿
心理学の哲学の最前線: 神経戦線を突破するサイコロジカル・サイエンス/アニマシー心理学
染谷 昌義
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2026 年 18 巻 1 号 p. 149-151

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抄録

 どのような存在に心のはたらき(認知)があると言えるのだろうか?近年の心理学の哲学、生物学の哲学、心の科学においては、「心」と「生命」を連続的に捉える、あるいは両者を強く同一視する立場が力を増している。心のはたらきは脳や神経系の存在を必ずしも前提としない。その結果、認知は、脊椎動物、無脊椎動物にとどまらず、細菌、アーキア、原生生物、菌類、植物にまで拡張され得るものと考えられている。この見方を真剣に受け止めるなら、心理学の守備範囲は大きく拡張されることになる。心の科学を長らく、そして現在も拘束してきた「神経戦線」、すなわち心理的現象を神経基盤に関連づけて理解しようとする枠組みは、再考を迫られることになるからである。本発表ではこのような動向を「神経戦線の突破」と捉え、その思想的背景と意義を検討する。具体的には、2000年代後半に始まる植物神経生物学の運動、認知に対するバイオジェニック・アプローチの提起を起点とし、目下、基底認知と呼ばれる認知生物学の興隆までの動向を、課題や批判を含めてレポートし、神経戦線突破の先に見えてくる将来の心理学―アニマシー心理学のあり方を素描する。生態心理学がアニマシー心理学に対してなしうる寄与についても検討する。

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