生態心理学研究
Online ISSN : 2434-012X
Print ISSN : 1349-0443
特集2:生態心理学とリハビリテーションの融合
支持面の違いが大腿四頭筋セッティング時の大腿四頭筋活動に及ぼす影響
湯川 智史中根 征也大西 智也
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2013 年 6 巻 1 号 p. 81-82

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抄録

要旨: 一般的な筋力増強練習を行う際の中枢部の支持面の違いが,筋活動にどのような影響を与えるのかを明らかにするため,支持面の異なった状態での大腿四頭筋セッティング時の筋活動について検討した.対象は健常男性 5 名とし,膝窩部に比較的硬いものを挿入した安定群と,膝窩部に軟らかいものを挿入した不安定群の 2 パターンで大腿四頭筋セッティングを実施した.そして,大腿四頭筋セッティング時の大腿直筋,内側広筋,外側広筋から筋電図を記録した.結果,安定群と不安定群の筋活動(%iEMG)の間に有意な変化は認められなかった.しかし,安定群と不安定群における各筋の%iEMG の中央値の比較として,箱ひげ図を用いると,不安定群に比べ安定群の各筋の筋活動が高値を示す傾向にあることが示唆された.今後,対象者の数を増やし再度検討していく必要はあるが,筋力増強練習を行う際は中枢部の支持面を知覚しやすい状態にすることで,より筋活動が得られやすくなる可能性が考えられた.

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© 2013 日本生態心理学会
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