抄録
【目的】慢性膝痛に対するマッサージ療法の有効性を検証するため多施設間連携による
ランダム化比較試験を行った。
【対象】施術所・通所介護事業所5 施設の利用者で一定の基準を満たす膝痛を有し、本
研究の趣旨に同意の得られた29 例(平均年齢67.9 ± 7.7 歳)を対象とした。
【方法】介入群(膝周囲の軟部組織に対するマッサージと運動療法、以下M 群)と対
照群(安静臥床、以下C 群)に乱数を用いて無作為に割付け、膝関節屈曲可動域、殿
踵間距離、膝窩床間距離、疼痛出現しゃがみ込み角度、TUG test、5 m 歩行時間・
歩数、疼痛のVAS について介入前後で比較した。
【結果】両群間の介入前後の変化は、膝屈曲角度、膝窩床間距離、疼痛出現しゃがみ
込み角度において交互作用を認め(すべてp<0.05)、M 群で有意に改善した(各
p<0.01、p<0.05、P<0.01)。また、すべての被験者に明らかな有害事象は認めなかっ
た。
【考察・結語】慢性膝痛に対するマッサージ療法は、関節機能の改善に有効かつ安全性
の高い方法であることが示唆された。