抄録
【目的】本研究の目的は、理療科における生徒募集の活動の実態や課題を明らかにする
ことである。
【方法】あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師の養成課程を有する視覚特別支援
学校58校を対象に理療科の生徒募集活動の実態に関する全数調査を実施した。調査項
目は、生徒募集に関わる教職員数、生徒募集に関する出張回数・出張先、理療科教員の
特別支援教育コーディネーターの有無と業務内容、生徒確保での課題、生徒募集の内容
とした。
【結果】理療科の生徒募集に関わる教職員の割合は、学校全体と比較して高かった。し
かし、生徒募集に係る年間出張回数は学校全体の約半数であった。特別支援コーディ
ネーターを行っている理療科教員が在籍する学校は、全体の1/3程度であった。生徒募
集の有効方法で最も多かった回答は、学校のホームページの活用であったが、その活用
方法や、盲学校や理療科の啓発活動や広報活動には、課題を持っている学校が最も多い
ことが明らかとなった。
【結語】各校で実施されている生徒募集活動の実態や様々な課題について明らかにする
ことができた。理療科の発展的な取り組みを学生募集の観点から検討する上で、有益な
基礎資料となるだろう。