抄録
【目的】盲学校理療科における卒後臨床教育や教員の臨床研修の現状を把握し卒後臨床
教育の今後の在り方を検討するための基礎資料を収集すること。
【方法】調査は悉皆調査にて、平成26年10月に実施した。質問票は多肢選択式および
記述式により作成した。調査項目は以下の10項目である。①設置学科、②理療科教職
員数、③臨床室に携わる生徒数および教職員数、④臨床専任教員数、⑤患者施術数、⑥
卒後臨床研修制度の有無、⑦卒後研修受け入れ有無と実施目的、⑧カリキュラム有無、
⑨受け入れていない理由、⑩教員の臨床外来の有無と実施状況。有効回答について単純
集計を行った。
【結果】今回の調査から得られた結果を、次の5つにまとめる。①卒後の臨床研修を受
け入れている学校は5校(13.9%)であった。②過去5年間の卒後の臨床研修者数は
10.3±14.4人であった。③臨床研修の受け入れの目的は、求職中の卒業生の臨床力の
維持・向上(100%)が最も多かった。④教員主体の臨床外来を行っている学校は14
校(38.9%)であった。⑤教員主体の臨床外来の実施理由は、患者確保のため、教員
の技術研鑽のため(71.4%)であった。