抄録
【緒言】理療科における臨床実習の充実には、教員による外来臨床を通じた研修が必要であるため、その推進に向けた方策を検討する目的で理療科教員による外来臨床等に関する調査を実施した。
【方法】視覚障害者を対象とする理療師養成課程設置65校・施設に対し、調査用紙を送付し、Email にて回答を求めた。
【結果】56 校・施設(86.2%)より回答が得られた。外来臨床実施学校・施設は22件(40.0%)、全理療科教員に占める外来臨床担当教員の割合は45.3%で、実施の利点は臨床実習の充実に関するものが多かった。未実施は33 件(60.0%)で、理由は業務の多忙さと運営・規定上の課題等であり、69.7%が実施を希望していた。
【考察】外来臨床実施校・施設は4割に留まっており、実施希望の割合も高いことから実施に向けた環境整備が求められていると言える。今後は、本調査で得られた実施の利点に加えて、具体的な成果を示していくことで、実施校・施設を拡げていけるのではないかと考えられた。また、実施に当たっては、時間帯は生徒の臨床実習と同じとし、賠償保険は教員全員が確実に加入するよう全額公費負担とするのが妥当と考えられた。