2014 年 14 巻 01 号 p. 36-49
本稿では,平成24 年度に北海道内の公立小学校(特別支援学級)にて,自立活動の時間に行った英語を扱った活動と,交流学習において通常学級の児童と一緒に行った外国語活動の内容を報告する。 特に,リズムチャンツや感情と表情を一致させるための活動など,児童の特性に合わせて特別支援学級内で実施した3 つのアクティビティ及び,それらと並行して行った交流学習1 に際しての工夫や留意点,授業中の児童の様子や反応から得られた知見を報告する。一連の実践を通して,「自己肯定感が高まり情緒が安定したこと」や「他者の表情から気持ちを読み取る方法を理解したこと」,「アクティビティや日常会話時の表情が豊かになったこと」などの効果がみられた。また,ICT を活用しながら特別支援学級における自立活動とより接点をもった活動を仕組むことで,自立活動と外国語活動の両方の活動に相乗効果が期待できるという先行研究結果(久保・金森・中山, 2012; 塚田・吉田・中山, 2013)をあらためて支持することができた。さらに,事前に特別支援学級内でトレーニングを行った 後,交流学習で同じ内容を扱うことで,児童が自信をもって活動に臨める姿が見られた。