小学校英語教育学会誌
Online ISSN : 2424-1768
Print ISSN : 1348-9275
ISSN-L : 2188-5966
実践報告
児童が求める国際交流:日本・オーストリア間の交流授業の実践報告
井上 桃子山本 長紀
著者情報
ジャーナル フリー

2014 年 14 巻 01 号 p. 50-65

詳細
抄録

本稿は,2011 年度に行った日本の小学校とウィーンの小学校との交流授業を通して,外国語活動において児童がどのような国際交流を求めており,そのために何を行って欲しいと考えているのか,交流授業の実践報告を交えて明らかにする。交流授業は2012 年1月〜2012 年3月に行った。交流授業では,日本の児童が学校生活を紹介するビデオと手紙を作成し,それをウィーンの小学生と筆者らを介しやり取りをした。児童に対しアンケート調査を行い,交流授業を通してどのようなことを感じたのかグラウンデッド・セオリー・アプローチを用い分析をした。その結果,英語に不安を感じていた児童は,交流授業を通して英語を使用することの楽しさを実感し,国際交流をすることで喜びを得ていたことが明らかになった。さらに交流授業を通して,児童は英語を学び使うことに対する自信や意欲を育んでいることが明らかとなった。国際交流のために,児童は「自分の思いを伝えるための英語」を学びたいと思っていると考えられる。交流授業とアンケート調査を踏まえると,児童の思いを伝えるための確かな技能の学びと海外の子どもたちとの交流を外国語活動に取り入れることで,児童は英語を学ぶことへの関心・意欲を育むと言えるのではないだろうか

著者関連情報
© 2014 小学校英語教育学会(JES)
前の記事 次の記事
feedback
Top