2015 年 15 巻 01 号 p. 4-17
本研究は,「既習語彙の想起・再生」をねらった外国語活動授業実践の報告である。昨年度は“Hi, friends! 2”のLesson 7「オリジナルの物語を作ろう」を二年間の外国語活動の総復習と捉え授業実践 を行った。今年度は外国語活動一年目である5 年生の復習がどの単元でできるかを考えた。5 年生は6 年生より語彙を多く学ぶことから語彙を中心に復習することにした。そこで,使用する語彙数が他単元に比べて多い“Hi, friends! 1”のLesson 7「クイズ大会をしよう」をアレンジすることにした。Lesson 7 のテーマは「クイズ」であり,クイズに答えるためのヒントを出すときに,既習語彙の想起・再生 が自然な流れの中でできると考えたのである。児童は“Hi, friends! 1”に掲載されている様々なクイズを体験しながら,“What's this?”, “Hint, please.”, “That's right.”, “Sorry. Try again.”などクイズで使う英語表現に慣れ親しみ,クイズのヒントを聞いたり言ったりすることを通して既習語彙を復習した。単元のゴールであるコミュニケーション活動として,自分たちで調べたクラスメートの好みを当てるクイズ大会「フレンズクエスト」を行い,既習語彙に加えて既習表現の想起・再生も行った。さらに,“What's this?”という表現が二つの文脈で使われることにも着目し,二種類の“What's this?”をバランスよく体験させるよう授業を構成し,小中の接続を視野に入れた指導を実践した。