小学校英語教育学会誌
Online ISSN : 2424-1768
Print ISSN : 1348-9275
ISSN-L : 2188-5966
実践報告
『Hi, friends! 1』に準拠した聴解力テストの開発とその応 用結果に関する事例報告(2)
-改訂した聴解力テストの試み-
石濵 博之渡邉 時夫染谷 藤重
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2015 年 15 巻 01 号 p. 18-33

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抄録

小学校学習指導要領外国語活動の三つの柱の一つは,「 ③ 外国語の音声や基本的な表現に慣れ親しませる」ことである。このことは「聞くこと」や「話すこと」と関連づけられる。『Hi, friends! 1』や『Hi, friends! 2』の話題や言語材料に関連して,児童が実際に聴く力をどのくらい身につけているかを測定する聴解力テストの開発が期待されている(石濵, 2014)。そこで,『Hi, friends!1』程度の教材を一年間学んだ児童の英語の音声面に関する理解度を評価するために,聴解力テスト開発を試みた。 具体的に,開発した聴解力テストは7種類の問題で構成されている。問題ごとに具体的な評価の観点を定め理解力の程度を評価した。同時に,その聴解力テストを用いて, 35時間の外国語活動を終了した時点で5年生の「聞く力」の成果を検証した。この分析結果から,『Hi, friends! 1』に準拠した聴解力テストは到達度テストとしての一端を担えるものになるであろう。また,公立小学校での1年後の評価を考慮する際に活用してもよいだろう。それは,聴解力の結果を基に次の外国語活動の指導方法を見直す機会となり,授業改善へとつながる。実際に測定した結果,留意すべき点は,児童がまとまりのある話の内容や会話の概要を聞いて理解することはむずかしいということである。それ故に,会話などの概要を捉えて「聞くこと」を考慮した指導をすることが必要であろうと提案した。

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© 2015 小学校英語教育学会(JES)
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