小学校英語教育学会誌
Online ISSN : 2424-1768
Print ISSN : 1348-9275
ISSN-L : 2188-5966
課題研究
気づきを促し定着を図る短時間学習
-その実践と検証-
川村 一代岡村 里香
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2016 年 16 巻 01 号 p. 147-162

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抄録

平成32 年度から小学校5・6 年生において教科としての英語が完全実施されるにあたり,「短時間学習」の導入が提案されている。短時間学習は,「知識・技術の定着等を図るため10~15 分の短い時間を単位として繰り返し教科指導を行う」授業形態で,教科化後,現行の外国語活動より増加した授業時間分を短時間学習で充てるという可能性が専門的に検討されることになっている。 短時間学習は一部の小学校ですでに実施されているが,その効果はほとんど報告されていない。そこで本研究では短時間学習の実践を行い,その効果を検証してみた。英語の知識がほとんどない小学 4 年生を対象に複数形の理解と習得を目的とした短時間学習を実践した結果,その大半が複数形の規則を児童自ら発見し,約半数の児童が基本的な複数形の知識を内在化させた。 45 分授業では文脈の中で英語の知識を学び,短時間学習では45 分授業で理解した知識を繰り返し反復し定着させる。そして,短時間学習で定着した表現を使って意味のあるやり取りを45 分授業で行えば,相手意識を持った意味のあるやり取りがより確実に英語で行えるようになり,コミュニケーション能力の素地のより効果的な育成につながるであろう

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© 2016 小学校英語教育学会(JES)
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