2018 年 18 巻 01 号 p. 166-181
平成32 年度から小学校高学年において英語が教科化されるにあたり,年間35 単位時間増となる時数をどう確保するかが大きな課題となっている。文部科学省(以下文科省)(2017a)には,「小学校高学年において年間35 単位時間増となる時数を確保するためには,ICT 等も活用しながら10~15 分程度の短い時間を単位として繰り返し教科指導を行う短時間学習(帯学習,モジュール学習)を含めた弾力的な授業時間の設定や時間割編成とそのために必要な『カリキュラム・マネジメント』を,教育課程全体を見通しながら実現していくことが求められている」と述べられている。言語学習の特性から,基本的な語句や表現などは繰り返し学習することで身に付けることが期待できるため,教科化に伴い増加する時数を短時間学習で充てることは,児童の英語力向上に効果的であると考える。 う「意味のあるやり取りや発表」がより確実に行えると考え,5・6 年生を対象に45 分授業を補完する短時間学習の実践を行った。本稿では,短時間学習の特性を踏まえ,年間を通して行った6 年生の実践を報告し,実践を行う中で見えてきた効果的な短時間学習の在り方を提案したい。 45 分授業で学んだ語彙や表現に繰り返し触れる機会が短時間学習で確保されれば,45 分授業で行