2019 年 19 巻 01 号 p. 194-
次期『小学校学習指導要領(平成 29 年度告示)』のもと 2020 年 4 月より,教科としての小学校外国語科が始まり,英語の文字,語彙,表現,文構造,言語の働き等についての知識の理解が求められるようになる(文部科学省,2017a)。このような学習指導の内容の高度化に対応すべく,本研究では,小学 6年生が英語の文法規則を帰納的に学ぶ際に用いるメタ言語を収集し,「文法用語の活用」という視点から,児童がどのようなメタ言語能力を有しているか,その一端を調査した。また,協働学習を とおして児童が言語に対する思考をどのように深めているのか,その様子についても調査した。調査 の結果,児童が小学校の国語科で身につけた知識を英語の学習に活用したり,適合させたりしながら, 言語の規則を学んでいる様子が確認できた。一方,授業での国語と英語の文法用語には使われ方に差 異があり,児童の中には,両者の知識が混在している者も見受けられた。これらの分析結果を踏まえ, 小学校における外国語科と国語科の連携について考察を加える。