2019 年 19 巻 01 号 p. 212-
東アジア諸国では,社会情勢や経済状況の変化に影聾を受けながら,グローバル化に対応した次世 代の人材育成の根幹として小学校からの英語教育が進められている。日本の小学校英語「教科化」に対応するため,英語を母国語としない近隣諸国の小学校英語の現状を把握するとともに,先駆けて英語を教科として導入している中国,韓国,台湾の指導者養成からの知見を得て,小学校英語を担当する質の高い教員を確保するための養成の在り方を模索することは,日本の急務の課題である。
本研究では,外国語としての英語教育 (English as a Foreign Language) という共通の言語社会環境を有する中国,韓国,台湾の初等教員養成システムを参照し,日本の担任養成カリキュラムを生かし,小学校英語教員養成の高度化に関するカリキュラムを提案する。特に,初等教育課程における専科教員養成に関連する中国,韓国,台湾の教科専門科目の枠組みを紹介し,日本の小学校英語教員養成での教科専門科目の位置づけを模索するとともに,プラス・アルファ(+a)プログラムを提案する。