小学校英語教育学会誌
Online ISSN : 2424-1768
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実践報告
小学校英語研究開発学校の実践
カリキュラム編成と課題
宮本 由美子折橋 晃美井口 奈穂美
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2019 年 19 巻 01 号 p. 52-

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抄録

2020 年に全面実施される小学校新学習指導要領(以下新 CS)では,新たに小学校高学年において従来の外国語活動が外国語 (以下英語) 科として教科化される。それにともない,小学校英語教育のカリキュラム編成のあり方を検討することが急務となっている。しかしながら,今まで英語を教えたことのない担任教師 (Home Room Teacher, 以下HRT) の多くは英語の授業に具体的な構想が持てず, 不安と負担を感じていることが各種調査 (ベネッセ教育総合研究所, 2011; 英語教育研究センター, 2012) で報告されている。加えて,小学校英語教育の現場では,授業を担当する教師自らが英語教育のカリキュラムを開発する経験をほとんどもって来なかった。各小学校では新CS で定められた目的, 目標,指導内容,指導計画などの編成基準をふまえながらも,編成主体として弾力的に地域,学校, 児童の実態に合わせた特徴あるカリキュラムを開発,評価,改善しようとする視点を持った取り組み がのぞまれるところである(田中, 2017)。本稿では,小学校英語の研究開発学校 (以下研発校)に指定されたB 市で編成された「B 市カリキュラム」に基づいた日常的な授業改善を通して児童の英語の学習過程や指導原則を検討し,小学校英語 教育におけるカリキュラム編成のあり方と課題を検討する。

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© 2019 小学校英語教育学会(JES)
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