2019 年 11 巻 1 号 p. 67-74
本研究は精神看護学実習における倫理カンファレンスでの臨床実習指導者の体験から、学生の学びへの貢献と、臨床実習指導者の看護実践に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした。精神看護学実習中の倫理カンファレンスに参加した、精神科看護経験を有する臨床実習指導者5名に、半構造化面接調査を実施した。質的記述的分析の結果、【倫理カンファレンス前から倫理を学ぶ重要性の認識】、【倫理カンファレンス指導への不安】、【倫理的思考に触れたことによる学生理解】、【学生からの学びによる原点回帰】、【臨床看護師の倫理的ジレンマの開示】、【学生の底上げを目指した看護の語り】、【学生の多面的思考を支援】、【倫理カンファレンス後の患者–学生関係の深化による患者の変化】、【倫理カンファレンスの臨床看護現場での活用】の9カテゴリを生成した。