2022 年 22 巻 01 号 p. 102-117
本研究では,2020年に開始した教科としての外国語における授業運営の現状と,小学校教員が抱える 課題,必要とする研修や支援を明らかにすることを目的として,杉並区内の教員を対象にアンケート 調査を実施した。その結果,教員は総じて自身の英語力に対して不安があり,単独授業に対して不安 を抱いていることが分かった。また,授業ではデジタル教材を有効に使用している教員が多く,評価 については不安を持つ教員が多いものの,教科化して間もない時期からパフォーマンス評価を実践す る教員も多くいることが分かった。教員研修へのニーズは高く,活動紹介や英語力の向上に関する研 修を必要と感じている教員が多いことが分かった。一方で,必要とする支援として人的支援(専科教 員の配置やALTの派遣増)と共に,業務負担減を必要としていることから,研修の実施についてはそ の内容の精査とともに,実施方法(対面研修・録画研修・紙面共有・リアルタイム配信等)の工夫が 必要であることが分かった。