2022 年 22 巻 01 号 p. 54-69
本研究においては,2020 年度より学習指導要領の改訂により,小学校外国語が教科化され,評価・ 評定が求められているが,実際に 3 観点 5 領域をどのような方法で評価を行えばよいかに着目して調 査や実践を行った。まず,小学校外国語文部科学省検定教科書 7 社 15 冊を用いて,5 領域別に指導と 評価の特徴を分析した。次にその結果を踏まえ,評価の 3 観点(特に【思考・判断・表現】)を培う活 動設計と Can-Do 評価,ルーブリックを用いたパフォーマンス評価の開発試案を行い,それらを用い て小学校で実践を行った。その際,目的・場面・状況を設定し,課題達成のために児童が思考を働か せ,表現につなげられるような工夫や,ルーブリックを共有し教師の発問により発表内容を深められ るような働きかけ,技能統合的な活動を通した段階的な見取り等を行った。その結果,児童が思考力・ 判断力を駆使したり,ICT 機器などを効果的に用いて互いのパフォーマンスを評価したりする過程を 通して,自己効力感や有能感,達成感を高めることができた事例を報告する。