林業経済研究
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EC諸国における林業的土地利用の動向とEC林業政策(自由論題論文,1994年秋季大会)
柳幸 広登
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1995 年 1995 巻 127 号 p. 143-148

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抄録

ECでは,1979年の規則269/79号(フランス・イタリア地中海の条件不利地域の林業振興)から本格化し,1985年の規則797/85号によって農地への造林が全ての地域で助成対象となった。本稿では,(1)EC諸国の土地利用のなかで林業的土地利用が1970年代後半以降どのように変動してきたかを統計的に観察し,次に(2)ECの助成策がどの程度,林業的土地利用の変化に影響を与えてきているか,の2点について考察を行った。その結果,(1)EC諸国では80年代に加盟国のほとんどで森林面積が拡大した結果,全体では約100万haほど森林面積が増加したこと,(2)森林面積の増加に対して,条件不利地域ではECの助成策が相当関与しているが,農地造林に対する助成はイギリスなどを除いて,現在までのところそれほど大きな影響を与えているとはいいがたい,ことが明らかになった。

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© 1995 林業経済学会
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