抄録
本研究では,全国的動向とは異なり,南九州,特にスギ生産日本一の宮崎県においては,なぜ価格が低迷するほど素材生産が拡大しているのか,それに伴って発生している再造林放棄はどのような実態(発現形態とその変化等)にあるのか,1990年代から2000年代にかけての変化をおさえながら,森林保有構造の観点から明らかにした。その結果,(1)1990年代後半と2000年代前半を比較すると,県全体としては再造林放棄他は増加したが,2000年代以降に新たに増加した様子はみられないことと,(2)県北において再造林放棄他の大規模化か進んでいることが明らかとなった。その要因として,人工林資源の成長,小農価格範躊の存在という観点以外にも,(1)は林家経営の自営性の維持と県や市町村段階での再造林放棄地対策の展開,(2)は分収造林他の主伐増大があげられた。