抄録
我が国において森林認証制度の普及はあまり進んでいないが,その原因として川下側では認証制度の認知度が低位であること,川上側では認証製品への価格プレミアムがないために認証取得のメリットが感じられないことが考えられる。そこで本研究では,消費者を対象としたアンケートと認証木材製品の販売実験により,価格プレミアムの存在可能性を検証した。アンケートはインターネットを用いて行い,20代から60代までの432人から回答を得た。その結果,森林認証制度を知らなかった人は全体の8割を超えたが,制度の解説をした後に認証製品に対する上乗せ価格の許容限度を尋ねたところ,5%までが24.1%,10%までが13.4%など合計で44.9%の人が上乗せ額を許容すると回答した。また,インターネットショップにおいてヒノキまな板の認証製品と非認証製品を同時に販売する実験を行ったところ,認証製品価格を10%高くしたときは10.1%,5%では28.0%の購入者が認証製品を選んだ。アンケート結果と販売実験結果は直接的に相関するものではないが,販売実験の結果からは価格プレミアムの存在が実証された。