抄録
木質バイオエネルギー利用は,既存の林業および木材関連産業からの木材投入が最も適した燃料供給源として認識されている。林業および木材関連産業は相互依存性が強く,木質燃料供給に大きく影響することが考えられる。林業・木材
関連産業と木質燃料供給の間の連関を明らかにするためには,木材利用のアクティビティを統合的に把握することが求
められる。そこで,2000年と2011年を対象に木材のマテリアル利用とエネルギー利用をそれぞれ同一のスキームで把握し,その間の変化を検討した。この結果,この期間に目立って増加した合板用木材需要に対応するほどの国産材の投入量はなかった。このため,全体の木材利用量減少に合わせて副産物発生量も減少し,燃料利用できる木材量は減少していた。このような既存木材関連産業と木質バイオエネルギー利用の関係に基づき,木材のマテリアル利用の着実な増加に随伴したかたちでの木質バイオエネルギー利用の促進が期待される。