抄録
2020年までに木材自給率50%を達成するとする目標が森林・林業再生プランに掲げられている。ここで期待されているのは,火力発電所のような木質燃料の大規模需要による木材消費量増加である。そこで,木質燃料を供給するチップ生産会社を対象に,中国地方における燃料用チップ需要増加前後のチップ需給実態を調査した。パルプ用チップと燃料用チップ規格は各工場で異なり,チップ生産会社は製品の品質管理のため新しい工程を追加する必要が生じた。また,
2015年に急増した燃料用チップ需要は広葉樹丸太の増産につながった。この他,チップの取引制度等の検討から,広葉樹を対象としパルプ用チップ生産を主にしながら低質部分を燃料用に利用するような,新たな木材伐採を行う可能性が示唆された。