林業経済研究
Online ISSN : 2424-2454
Print ISSN : 0285-1598
素材入荷状況の異なる地域間比較を通じた中小規模工務店による住宅用木質部材選択の実態把握
地域材利用に着目して
御田 成顕 知念 良之尾分 達也
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2021 年 67 巻 2 号 p. 47-55

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抄録
工務店は地域材利用の担い手として大きな役割を果たしているが,工務店による地域材利用の実態は十分に把握されていない。そこで,素材入荷状況が異なる3県(宮崎県,福岡県,広島県)の工務店(295社)を対象にアンケート調査を実施し,62社(回答率21%)からの回答をもとに,工務店による国産材,地域材および外国産材の利用実態の把握,および工務店が考えるこれらの材種に対する施主の印象を明らかにした。その結果,工務店の主要木質住宅部材における国産材利用率は大規模施工者より高いことが推測されるとともに,地域の素材入荷状況と利用される材種との間に相関関係があることが示された。そして,素材入荷状況の違いにより工務店が材種に対して有する印象が異なっており,地域材については自県材入荷率が低い地域では施主に対して感性的な点から営業訴求力が強く,自県材利用率が高い地域では価格面や品質面が施主の安心感につながることが示唆された。一方,認証材や合法材の利用に対する施主からの要望は少なく,工務店が積極的に採用する理由に乏しいことが課題として示された。
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© 2021 林業経済学会
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