抄録
第3次ウッドショック期における木材輸入減少の実態,輸入減少に対する木材産業や流通業者等の対応について考察することにより,現在の日本の木材流通構造の課題について検討した。将来におけるウッドショックの発生を阻止,あるいはその影響を緩和するためには国産材の供給拡大が必要であるが,それには中長期の期間を要する。したがって,現状の流通構造を踏まえて,ウッドショックが再び発生した際に,その影響をなるべく小さく抑える方法を準備しておく必要がある。輸入材の供給量の変化は品目によって異なった。その要因として海外サプライヤーとの取引関係の強弱が指摘でき,輸入量の安定化には海外サプライヤーとのサプライチェーンの維持・強化の必要性が示唆された。また,ウッドショックの影響は完成品で輸入される木材への依存度が高いサプライチェーンで大きかったことから,このようなサプライチェーンでは,輸入材の供給量の減少時に市場の混乱を緩和するために在庫機能の強化が必要と考えられる。