林業経済研究
Online ISSN : 2424-2454
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有畜農家消失後の牧野組合における草地管理活動の継続要因
阿蘇市の下荻の草牧野組合の活動実態と会計の分析に基づいて
白石 智宙 , 竹内 亮, 嶋田 大作
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2024 年 70 巻 1 号 p. 15-26

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抄録
本論文の目的は,草地保全のための管理作業(防火帯作成作業および野焼き)の継続が課題となっている熊本県阿蘇地域において,有畜農家がいなくなった後も管理作業を継続できている要因を明らかにすることである。先行研究では管理作業を担う牧野組合の活動実態が明らかにされてきたが,それを賄う会計の分析はなされていない。そこで本論文は,阿蘇市に位置する下荻の草牧野組合の管理作業の動向と牧野組合会計の分析を行った。同牧野組合は組合員から有畜農家がいなくなった後も30年近く管理作業を継続しており,その継続要因を次のとおり明らかにした。第1に,中山間地域等直接支払および多面的機能支払交付金を活用して牧野組合会計を補完しながら,さらには集落の人工林間伐や牧野貸付,上草等の販売,観光利用の受け入れによって継続のための収入を多様な形で確保していた。またこれら交付金による草地の生産力維持への貢献が明らかになった。第2に,管理作業を継続させるという組合員の共通理解と組合長代理のリーダーシップの発揮があった。第3に,離村者の出役参加という入会慣習の変容による対応や組合員外からの参画があった。
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