抄録
木材のカスケード利用が推進される中で,木くずの処理方法が重要になっている。木くずのリサイクルには木質ボード等に利用するマテリアルリサイクル (MR) と燃やして発電等に利用するサーマルリサイクル (TR) があるが,これまで行われてきた調査ではリサイクル方法までは明らかにされていない。本研究では茨城県産業資源循環協会会員を対象に聞き取り調査とアンケート調査を2022年7月~11月に行い,木くず処理の現状把握とMR率が高い中間処理施設の特徴について分析を行った。その結果,2021年に木くずの92%が再資源化され,再資源化された木くずのうち65%がTR用となり,TR率は2017年から2021年にかけて増加傾向であることが分かった。MR率が高い中間処理施設の特徴に関する相関分析を行った結果,MR率が高い施設では木くずを受け入れる時点で厳しく選別していることが分かった。FIT制度のもとで確実に買い手が存在する燃料用の木質チップを製造する中間処理施設が増えることが予想される。そのような中で,今後MR率を減少させないためにはMR用チップの買い手の確保と,MRが可能な木くずを増やすことが必要であると言える。