抄録
1996年に策定された「林業労働力の確保の促進に関する基本方針」は2010年に1度目,2022年に2度目の変更が行われた。本稿は前段で,それらの変更を通じて林業労働力として確保するべき対象が多様化してきたこと,および都道府県の計画へそれらが波及していく経過をまとめた。次いで後段で,新たに加えられた対象のうち,建設業者,障害者,外国人材の林業就労の事例を取り上げて多様な労働力確保促進の可能性と課題を論じた。建設業の林業への参入と障害者雇用の促進に関しては,個別の成果が認められるものの全体を定量的に把握することが難しいことから,次の方針変更時期までに評価軸を明確にしておく必要がある。外国人材の受入れに関しては,本格的な受入れを前にした準備段階にあり,早急に技能修得と監理に関する体制整備を進める必要がある。