抄録
本研究では,都市農村交流を通して自然環境保全を目的に1995年に設立された「公益財団法人阿蘇グリーンストック」および関連する野焼き支援ボランティアの活動変遷を分析し,地域住民との連携による資源管理活動の展開について考察した。その結果,「野焼き支援ボランティア派遣の活動始動(1991~1999年)」,「野焼き支援ボランティアの会の誕生・都市農村交流事業への展開(2000~2005年)」,「阿蘇の草原再生のステークホルダーと野焼き支援ボランティア会員の拡大(2005~2011年)」,「野焼き支援ボランティアの安全管理の強化と災害時の地域復興(2012~2015年)」,「熊本地震からの牧野再建と観光振興による草原再生(2016~2019年)」,「多種業とのコラボレーションによる草原保全(2020~2023年)」の6つの期に区分された。活動が継続してきた要因として,①牧野組合に野焼き支援ボランティアを派遣する目標の明確性と安全管理を含めた野焼き支援体制の構築,②農畜産業を基軸とした都市農村交流事業の展開,③災害等の局面にも重要なステークホルダーとして地域の再生・復興をけん引,の3点を指摘した。