2015 年 12 巻 1 号 p. 149-150
(はじめに)2010年の当学会で、リング着脱療法開始時におけるリングサイズ選択基準の設定について回帰式を求めて発表した。その後、200以上の症例を収集し再度、回帰式を算出した結果、 Ring Size=41.5+3gh(cm)+0.8tvl(cm)有意確率:0.58を、2012年の当学会で発表した。今回は、その後の経過を報告する。(方法)リング療法開始時のPOP-Q方式のgh・TVLで測定し算出した回帰式でリングサイズを決定した。(結果・考察)はじめの1ヶ月は一回り小さいサイズのリングを使用して自己着脱の練習を行った。次の受診時に膣の状態と骨盤臓器脱の状態を診察、脱落の有無を情報収集して、最終的にリングサイズを決定した。脱落する患者様は骨盤臓器脱の状態がステージ3度以上、BMIが25以上、肛門挙筋の菲薄化、ghの長さ(8cm以上)のいずれか2つ以上にしていたが、新たに便秘のひどい方と腹圧が過度にかかる方にも注意が必要である事が再確認できた。また除外条件がきびしすぎて実用性が低下したため、今後は除外基準を骨盤臓器脱の状態がステージ4度、BMIが25以上の2つのどちらかにあてはまる場合とすることにした。(まとめ)今後も症例を収集して検討していく。