蓄尿症状を含む下部尿路症状は生活に支障を来し、QOL を障害する。著者らは中年女性の尿失禁に対する主観的判断と対処を明らかにする中で、医療・保健サービスに係る先行研究に足りない因子を調べるため、国内・外で行われている尿失禁のある地域在住女性に対する医療・保健サービスの実態を明らかにすることとした。 国内文献は、2016 年11 月「日医中誌Ver.5」にて、キーワード「尿失禁」and 「予防的保健医療サービス」、「原著論文、解説、総説、会議録を除く、5 年以内」で検索した。 国外文献は、2017 年1 月「Pub Med」にて、MeSH 統制語の“urinary incontinence” “preventive health service”で、5 年分を検索した。 更に地域在住女性の尿失禁の予防・改善を目的とした研究、英語以外の論文を除外し、①対象②方法③内容について調査した。国内7 件、国外12 件を抽出した。今回の国内外文献レビューにおいては、尿失禁が顕在化する妊産婦や高齢者の研究が主であった。中年女性の尿失禁に関する質的研究は少数で、実態調査も未だ不十分な可能性がある。