2025 年 21 巻 1 号 p. 43-48
近年、腹腔鏡下仙骨腟固定術(laparoscopic sacrocolpopexy:LSC)が広く普及しているが、難易度が高く手術時間が長いため術者や患者の負担は大きい。また海外の報告では骨盤臓器脱の手術において子宮を温存する術式が重要視されている。このため当院では子宮を温存するLaparoscopic lateral suspension(LLS)を導入した。LLSは岬角の露出が不要で、2本のメッシュ脚を付けたメッシュを前腟壁と側方の腹壁に固定する術式である。今回、骨盤底レベルI/IIの損傷例に対して、LLSを施行した43症例を対象に周術期合併症、術前後のPelvic Organ Prolapse Quantification (POP-Q)score等について後方視的に検討した。平均年齢は73.3歳、手術時間の中央値は100(58~210)分、出血量10(5~230)mlで、周術期に重篤な合併症は認めなかった。術後は直腸瘤の再発が2例あり経腟手術を行った。LLSは手術の難易度が低く手術時間が短い低侵襲手術で、子宮温存により清潔手術となるため感染リスクの低減が期待され重篤な合併症が少ない術式である。