2025 年 21 巻 1 号 p. 62-67
症例は50歳、直腸瘤に対するORIHIME®を使用したダブルメッシュのロボット支援腹腔鏡下仙骨腟固定術(Robot-assisted laparoscopic sacrocolpopexy; RASC)の術後11日目に、発熱と腹痛が出現し、術後14日目にメッシュ感染の疑いで緊急入院となり、抗菌薬投与を開始した。CT検査およびMRI検査で、骨盤内膿瘍を認めたが、脊椎椎間板炎や骨髄炎は認めなかった。メッシュ感染に伴う骨盤内膿瘍の診断でロボット支援腹腔鏡下メッシュ切除術を施行した。腹膜切開後に子宮頸部断端と断端のメッシュ固定部からの排膿を認め、骨盤内膿瘍の培養結果はEnterococcus aviumであった。腟前壁・腟後壁固定のメッシュを切除したが、強固な腸管癒着のため、腸管損傷の危険性から仙骨岬角に固定したメッシュの切除は困難であった。術後4日目に解熱し、術後5日目に腹痛は改善し、術後11日目に退院した。RASC術後1年5か月現在、感染の再燃はなく、直腸瘤はRASC施行前の状態に戻っている。再手術は希望されず経過観察を行っている。RASC後のメッシュ感染ではメッシュ全摘出が原則であるが、感染が及んでない領域のメッシュが残存したとしても、感染のコントロールができる可能性がある。