日本女性骨盤底医学会誌
Online ISSN : 2434-8996
Print ISSN : 2187-5669
腹腔鏡下およびロボット支援下仙骨腟固定術中に膀胱鏡をルーチンに行うことで尿管通過障害を回避し得た2例
青山 茉利香野村 由紀子岡田 義之重田 美和市塚 清健嘉村 康邦
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2025 年 21 巻 1 号 p. 68-72

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抄録

【緒言】我々は腹腔鏡下仙骨腟固定術(LSC)とロボット支援下仙骨腟固定術(RSC)を行う際、メッシュ固定後に膀胱鏡による左右尿管口からの尿流出(jet)の確認をルーチンに行っている。当センターで施行した204症例中、術中膀胱鏡によって固定糸による尿管通過障害を診断しえた2例を経験したので報告する。

【症例】

症例1:71歳。StageⅢの子宮脱、膀胱瘤に対しRSCを施行。前腟壁用メッシュを前腟壁へ固定し膀胱鏡検査を施行。右尿管口からのjetが確認できず膀胱頸部近傍右側の固定糸を抜糸したところjetを確認しえた。

症例2:61歳。stageⅢの子宮脱、膀胱瘤に対しLSCを施行。前腟壁用メッシュを固定後、膀胱鏡にて左尿管口からのjetが確認できず膀胱頸部近傍左側の固定糸を抜糸したところjetを確認しえた。

【結語】

2症例とも尿管への直接的な運針はなく、膀胱漿膜および膀胱筋層の一部に縫合糸がかかり、壁内尿管のkinkingが生じたと考えている。腹腔鏡下では、尿管膀胱移行部より頭側の尿管は視認可能だが、壁内尿管は確認できない。膀胱壁に近接する腟壁へ多くの運針を行うLSCおよびRSCでは、剥離運針操作に細心の注意が必要である。また本報告のように注意していても生じうる潜在的な尿管通過障害に対し、ルーチンの膀胱鏡検査は安全性担保のため有用と考えられる。

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