日本女性骨盤底医学会誌
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吸引分娩後に難治性の膀胱腟瘻をきたした1例
関亦 真生田尻 亮祐齋藤 佑真飯尾 一陽近藤 恵美𠮷村 和晃湊 晶規新村 友季子吉野 潔
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2025 年 21 巻 1 号 p. 73-77

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抄録

本邦では、経腟分娩に伴う合併症としての膀胱腟瘻(vesicovaginal fistula; VVF)は極めて稀である。今回、我々は吸引分娩・クリステレル胎児圧出法後にVVFを生じ、3回目の手術で修復に至った一例を経験したため報告する。症例は22歳、2妊2産、自然妊娠成立し、妊娠経過は問題なかった。妊娠37週5日で前期破水後に前医へ入院となり、微弱陣痛のため吸引分娩で2053gの女児を娩出した(ソフトカップで3回吸引、クリステレル胎児圧出法を併用)。産道精査で広範囲の子宮頸管裂傷と腟粘膜挫滅を認め、産道裂傷の縫合後に血尿、および腟内への尿漏出があり、VVFと診断された。尿道カテーテルを5日間留置し経過観察されたが症状は改善せず、産褥10日目に当院泌尿器科に紹介となった。腟鏡診で腟前壁に3cm大のVVFを認め、産褥46日目に腹式膀胱腟瘻閉鎖術、膀胱修復術を施行した。術後84日目に尿道カテーテルを抜去後に再度腟内への尿漏出を認め、腟前壁に小さな瘻孔を認めた。初回手術後4ヶ月で腟式膀胱腟瘻閉鎖術を施行した。術後2週間で膀胱タンポナーデを発症し、その後の診察で再度1cm程度の膀胱腟瘻の再発を確認した。難治性VVFとして転院し、VVFの経験が豊富な医師によるMartius Flapを用いた腟式膀胱腟瘻閉鎖術が施行された。術後1ヶ月で尿道カテーテルを抜去し、現在術後1年、再発なく経過している。

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