演者らは、ニホンキバチの羽化成虫数に与える共生菌や拮抗菌の影響を明らかにするため、産卵痕数、羽化成虫数、材の含水率、共生菌やそれ以外の菌の検出頻度を単木ごとに調べて、それらの間の関係を検討した。その結果、5月の羽化成虫密度と共生菌の検出頻度の間には正の相関があった。また、5月の含水率とGloiocephala属菌の検出頻度の間には負の相関があった。さらに、5月の共生菌とGloiocephala属菌の検出頻度の間や羽化成虫密度とGloiocephala属菌の検出頻度の間にもほぼ有意な負の相関があった。