日本林学会大会発表データベース
第115回 日本林学会大会
セッションID: J19
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経営 II
ナラ類集団枯損被害地における高分解能衛星データの反射スペクトル特性
*小林 裕之西村 正史
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抄録

衛星リモートセンシングによるナラ類集団枯損被害木の早期発見が期待されている。オルソ補正された2シーンのQuickBird画像の被害形態別,バンド別反射スペクトルを求めたところ,パン画像では,両シーンとも”健全”,”フラス”ではあまり差がなく,”当年枯死”の反射が弱かった。マルチ画像のバンド1(可視域青)では,形態間の差がほとんどみられなかった。バンド2(可視域緑),3(可視域赤)でも形態間に大きな差はみられなかったが,トゥルーカラー画像(R:G:B=3:2:1)で枯死木の樹冠が赤く見えるのは,他の形態に比べて,バンド2の反射がやや弱く,バンド3の反射がやや強いことに起因すると考えられた。バンド4(近赤外域)では,両シーンとも反射強度が”健全”>”フラス”>”当年枯死”の順となり,その差も大きかった。カシノナガキクイムシ被害木の早期発見のためには,素早い前処理,トゥルーカラー合成画像の目視判読と近赤外域の低反射帯の抽出が有効であると考えられた。

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© 2004 日本林学会
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