日本林学会大会発表データベース
第115回 日本林学会大会
セッションID: K21
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地域熱供給への土場残材のバイオマスエネルギー利用
*岡本 拓也岩岡 正博峰松 浩彦
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抄録

 本研究では、通常の木材生産作業で発生する土場残材の量を測定し、現在低コストで利用可能な木質バイオマス量を推定することを目的とする。 循環型社会の構築のためには、廃棄物を削減するとともに、再生可能資源を積極的に利用して、枯渇型資源の使用を削減することが必要である。近年、環境保全、地球温暖化防止、さらに循環型社会の構築につながるとしてバイオマス資源が注目されている。その一方で、現在の林業では、造材過程で発生する末木枝条や根曲部が、有効利用されずに林地や林道側の土場に廃棄されている。これらの土場残材を、新しいエネルギー源とすれば、廃棄物を削減できるばかりではなく、木材に付加価値を与えられると期待できる。 これまでに、木質バイオマスの資源量の推定は多く行われているが、それらは伐採量や森林の現存量に基づいたものであり、全量をエネルギー利用することを前提としている。しかしながら、現在行われている伐採搬出システムでは、バイオマス利用は考えておらず、林地保全のために、伐倒跡地にバイオマスを戻すということも行われている。したがって、既往のバイオマス資源量の推定では、利用可能なバイオマスの量を過大評価してしまう危険性があるが、通常の伐採搬出作業で発生する土場残材の量を測定する研究は行われていない。 本研究では、これを明らかにするために、林道側の土場に集積された土場残材を測定し、熱供給を行った場合を考察した。

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© 2004 日本林学会
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