日本林学会大会発表データベース
第115回 日本林学会大会
セッションID: P3071
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動物
Monochamus carolinensis の蛹室サイズに及ぼす寄主植物の影響
*富樫 一巳Appleby JamesMalek Richard
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抄録

Monochamus carolinensis (Olivier)は寄主植物の材内に蛹室を作って幼虫態で越冬する。ストローブマツとヨーロッパアカマツの中で越冬中の幼虫の体サイズと蛹室のサイズをイリノイ州で1985年の12月から1986年の2月までの間に測定した。ストローブマツ内の幼虫はヨーロッパアカマツ内の幼虫よりも大きく,体重は重かった。また,ストローブマツ内の蛹室はヨーロッパアカマツのそれよりも深く,長かった。各樹種の中では蛹室の長さと深さは幼虫の体重が重くなるにつれて増加した。体重が等しい場合,幼虫はヨーロッパアカマツよりもストローブマツの中では0.65_cm_深く,2.5cm長い蛹室を形成した。従って,蛹室の深さと長さの樹種間の違いは幼虫の体重と樹種の材の硬さの違いによって説明できた。このことから,寄主植物は材の硬さを通して直接的に,餌としての内樹皮を通して間接的に,蛹室の深さと長さに影響を与えることが示唆された。

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© 2004 日本林学会
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