日本森林学会大会発表データベース
第124回日本森林学会大会
セッションID: B09
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元玉切りによる安全なかかり木処理は可能か?
*松本 武
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抄録

 かかり木を処理する際にはけん引等による処理方法が安全な方法として推奨されている。特に2立木間の樹冠に接触して発生したかかり木はけん引以外の選択肢はないが,かかり木をけん引して処理する際には大きなけん引力が必要であり,人力のみによる処理は難しく,牽引具等の運搬・設置および処理に多大な労力が必要とされることが明らかとなっている(立川・佐々木2000;松本2010;立川ら2011;松本・岩岡2012)。実際の現場ではより簡易な方法として,かかり木の元玉を落とす,かかり木に別の伐倒木を浴びせ倒す,かかられている木を伐倒する,かかり木を放置する等の処理が行われている。いずれも危険な作業として禁止されているが,林業労働死亡災害件数全体の2割がこうした処理作業に起因する(林災防,2012)。これらの危険とされる処理方法のうち,かかり木の元玉を鋸断する方法は現場での実践例も多く,処理のためのガイドラインの策定を望む声もある(広部2010)。 
 そこで,本研究では元玉切りによる安全なかかり木処理の可能性を明らかにするために,人為的に発生させたかかり木の樹幹を元口から段階的に鋸断する試験を行った。

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© 2013 日本森林学会
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