抄録
草本や低木が入り混じった混交群落内のアカガシ稚樹の成長を予測するためには、群落の構成種の葉が持つ形態的な特徴の違いや直達光の時空間変異を考慮した光合成シミュレーションモデルを構築し定量的に評価する必要がある (Yanhong,1989; Ryel et.al, 1990)。
試験は浜松市に位置する静岡大学付属演習林内で行った。試験地に間伐率が異なるギャップを設定し、アカガシ稚樹が存在するコドラートを10個、吸光係数を決定するためのコドラートを15個設置し層別刈り取り調査を行った。各コドラート内の散乱光と直達光は20cmの高さに区切り、各128点ずつ測定した。
群落の構成種を8グループに分け、それぞれの吸光係数と光の時空間変異について階層ベイズモデルを使用し、構築した光推定モデルにアカガシの光合成パラメータを代入し、アカガシ稚樹の成長シミュレーションを行う。
ある時間断面での光空間変異を考慮した各グループの吸光係数を用いた群落内の光推定モデルは高い精度で推定することができた。発表では光の空間変異の経時変化を考慮したシミュレーションを行い、様々な種の混交群落内のアカガシの成長について論じる。