抄録
我が国のエコツアーガイド従事者が、自然観光資源の保全管理を補助する者として、資源モニタリングを行う場合、それに必要とされる知識や資源の観察機会が、その業務を十分遂行できるかを明らかにしておかなければならない。本研究では,長崎県佐世保市南九十九島地域を対象地域として事例調査を行った。 知識については、まず様々な文献資料を掘り起こして生物種データベースを作成し、エコツアーガイド従事者が、その中のどれだけの種を認識しているかを調査専門家と対比させながら分析した。また観察機会については、エコツアーガイド従事者の業務日誌等から上陸する島の名前や上陸する頻度を抽出し、同じく調査専門家と対比させて分析した。その結果、エコツアーガイド従事者は、一部調査専門家が確認していない希少生物種を観察していること、特定の島にはエコツアーで頻繁に訪れるため,いくつかの生物種については、調査専門家の業務を補完できることが明らかとなった。ただし、観光者にとって危険な生物種の観察は頻繁に行われているものの、観光対象として認識されない生物種は観察していないことも明らかとなった。