抄録
生物多様性の保全にも配慮した持続可能な生物資源の管理と流通を進める民間主導の認証制度の中で、森林認証はもっとも成功している例とされている。「生物多様性国家戦略2012-2020」「農林水産省生物多様性戦略」などでも今後取り組むべき課題として注目されている。森林からの原材料を使用する企業において、その調達に際しては森林認証製品を用いる企業が急増しており、日本でも例外ではない。このような背景を踏まえて、森林認証に関する研究は、諸外国では急増している。特に、FSCとPEFCなどの認証制度間の比較、認証制度自体の正当性、ガバナンスや情報公開のあり方、企業の社会的責任との関係、生物多様性保全への実効性など、様々な点からの活発な議論が行われている。本研究では、主に高橋(2006)以降に発表された森林認証に関する最近の研究について類型化を行い、その傾向について分析した。また、それを基に、今後の研究の方向性と課題について考察した。