日本森林学会大会発表データベース
第127回日本森林学会大会
セッションID: A17
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学術講演集原稿
木材・産地ブランドと知財管理 地域団体商標への登録状況と地理的表示の展開
*香坂 玲川上 潤吾内山 愉太風 総一郎
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抄録

特許庁が中心となり、地名を含む商標の登録の制度となる地域団体商標が2006年に発足している。2015年11月30日現在で野菜55品、水産食品45品、果実42品、木材・石炭・炭14品、米7品目などの586件が登録されている。 本研究では、仏壇などの加工品の木材製品を除いた「小国杉」、「北山杉」、「東濃桧」、「南部の木」、「吉野材」、「吉野杉」、「吉野桧」、「龍神材」を対象とし、その登録の動機、経済的・社会的影響、品質・地理区分の基準の有無、今後の展望について、申請をした森林組合に聞き取りを実施した。結果、動機と影響については、模造品の防止、近隣の産品の混同の防止、温泉など地域内の他の取り組みに触発など多様であった。ただし、狭義の価格向上など、経済的な利益は動機においても影響でも限定的であった。また北山杉を除き、生産基準について明確な取り決めはなされていない事例が大多数であった。 品質工程管理まで登録をする地理的表示の保護制度が農水省を中心に2015年6月に発足している。本研究対象の地域団体商標の事例のなかで、地理的表示の登録への動きは調査した事例ではなく、品質の基準と合わせて、今後の展開が注目される。

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© 2016 日本森林学会
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